sour time 武器物語っぽくなった小話 忍者ブログ
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トムは『贖罪』の魔法少年。基調色は黒とココアブラウンで、煙管を愛用している。
片目のないウサギと共に暮らしていた。最期は自ら猛毒を飲み込み息絶えた。

診断メーカーでやってみたら面白かったので、それっぽいお話を考えました

即興で考えた設定

少年=滅ぼされた王国の王族の生き残り。
「古代の王の末裔である血を後世に残す」ことを悲願として父王に教え込まれたため、
この世で一番大事なものが自分の命であると信じこんでいる。
自分の命以外を尊いと思えない
彼のために死んで行った者の命の重みを知るために「贖罪」の魔法を与えられた


ウサギ=魔女の魔法によって使い魔に帰られた少年のもと従者。
かつては弓の名手だった。少年に他の命の尊さを知ってほしいと願いつつ、
彼自身、他の何よりも少年の命を最優先してしまう。
王族の紋章が入った国宝の煙管で頭叩くのはやめてほしいと思ってる


これがちょっと自分のなかでヒットしたので、ちょっと膨らませて中ニこころを解き放って
お話を考えたらDOD/ニーアの武器物語っぽくなりました

武器物語とはDOD/ニーアに出てくる武器に付随する物語なんですが
美しかったり残酷だったり意味深だったり、もやもや感に定評がある
独特の要素です 「不死鳥の大剣」「不浄の斧」「迷宮の息」が好き…


たとえば内容はこんな感じ
【王位簒奪者の槍】

ある国で王子の影武者をしている男がいた。男は毎日の様に王子の代わりに公務を行っていた。今日も仕事を終えて王子の元へ帰ると部屋に裸の女が寝ている
女は王子の妹姫だった。
呆然とする男に、同じ顔の男はへらへら笑いながら行為に誘ってきた。 1

男は王子の妹姫に恋をしていた。自分を兄として慕ってくれる妹姫も
自らを愛してくれていると感じていた。たとえ偽物の姿を通してでも、
最低な王子のために命をかける男にとって、彼女は唯一の生きる糧だった。 2

王子が戦争で指揮を執ることになった。
役目のために命をも投げ出す覚悟の男に王子は言い放つ。
対象の首を獲れば妹と寝るのを自分と一回替わってもいいと。 
男はへらへら笑う王子の口へ槍を突き刺した                3

戦争が変わり妹姫を妃とした「王子」は、自分の顔や喉を
傷つける行為をするようになった。妹姫が彼を「兄さま」と
呼ぶたびにそれは続いた。やがて「王子」は自らの顔を焼き、
口から槍を刺した状態で見つかった。その焼けただれた顔はとても穏やかだった。4


う、うん…と言う感じですよね。このもやもや感がなんか好き…


これイメージして書いたのが次のお話になります。


つづきをよむ で




「水銀の弓矢」

僕を生かすそのために百の命が犠牲になった。
屍の山の上で1人、途方にくれた僕にすり寄ってきたのが君だった。
あのとき、流れ矢から僕をかばってその美しい黒い瞳を失った君は、
痛みで朦朧としながら
「若君、御無事でよかった、御無事でよかった」
と譫言の様につぶやいていたね。
焦点の合っていない片方の瞳では僕の姿はほとんど見えていないだろうに。

「御無事でよかった、御無事で…」

うん、僕は無事だよ。でもこれからどうしたらいいだろう。
追ってから僕の身を守ってくれるはずだった者達は皆この通り、
もうピクリと動きもしない死体となってしまった。
むごい仕打ちだよ、世話係の女たちもいたっていうのに
皆殺しとはね。

親衛隊の中でも最も手練れの君が最後まで戦ってくれたおかげで、
僕は生き残れた。
その自慢の弓矢で一体何十人の敵を射抜いたんだい?
本当に大した腕だよ。炎で焼かれた王都の遺してきた
君の父上も兄上も、きっと天国で君を誇りに思ってるに違いない。


でも、僕は考えなくちゃならない。
砂埃と乾いた血で汚れた君の短い黒髪を労わるように撫でながら
考えをめぐらせた。
夕日が眩しい。死んだ者達も、僕たちも、逆光を浴びて、
もうすぐ黒いただの影となる。

そう、深手を負った君は足手まといにならないとも限らない。
君の事は好きだけど、僕にはもっと優先しなきゃいけないものがある。
それは君もよくよく承知していることだろう?
僕は何としても自分の身を守らなくてはならない。僕の命、僕の命がつむぐ
この血を、ここで絶やすわけにはいかないんだ。


「お前は私たちの血を正しく受け継いだ唯一の子供だ、
 この国が亡びたとしても、お前だけは生き延びるのだ。
 我々は、戦と智の神と交わった古代の巫女に連なる一族だ。
 統治者としてこの地を授かったのは、その神との契約があってこそ。
 私たちの血こそが、この地に英知と平和をもたらす。
 その身に流れる血を絶やしてはならない。
 お前が何より大事にしなければならないのはその命だ。
 後世にその血をつなげ。それがお前の使命。
 この地を追われたとしても、我々の血族が、いずれ神となり
 世界を治めるだろう。
 そのためには他の者の命を惜しんではならない。
 お前の血を繋げ、絶やしてはならぬ
 これは私たちにしかできないのだ。」

分かっています父上。僕は、僕の使命のために生きます。
今も、これからも、ずっと。ずっと。

 




日没の地平線に現れた黒い影は死神ではなく、
死神によく似た魔女だった。
僕は死神を見たことはないが、そんな不吉な存在はきっとみんなあのような姿を
しているものなんだろう。

その魔女は、僕に魔法をくれるといった。
そして僕に一番ふさわしい魔法を見繕ってやる、と。
一体何が何だかわからなかったけど、
「僕が生き延びる事ができるなら」と答えた。


魔女が僕に与えたのは「贖罪」の魔法。
自分が死なせた者達への罪を、僕が償うための魔法だという。

「その従者の片目は直さずに置いてやろう
 お前がいつもその罪を思い出させるように」

彼の命は助かったが、黒い澄んだ片目は閉じられ、醜い傷跡が残った。
贖罪の魔法が使えるのは百と一回。僕のため死んだ者と、
彼が失った片眼をたした数にしたそうだ。

でも僕にはわからない。僕の命、この血を守るのが僕の使命
そして、死んだ百人の使命も僕と同じだったはずだ。
僕と違って、彼らの命は代替可能なのではないのかな?
僕の命を守るために彼らが犠牲になるのは必然ではなかったのか?
この話を彼にしたら、
「はい、おっしゃる通りです…ですが…」
と、煮え切らない返事をされた。
どうしてなんだろうね。
だって、君と僕の命は対等じゃない、それは
当然の事のはずじゃなかった?

最後の魔法を使い切るまでにこの犠牲の尊さとやらを、僕は理解できるのだろうか 。


 続きは次の記事で

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